官報(令和5年6月28日 号外第135号)によると、東京都千代田区西神田の「株式会社八ヶ岳モールマネジメント」(代表取締役:藤井 弘毅)は6月14日、東京地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けたことがわかった。事件番号は令和5年(フ)第3473号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は令和5年9月12日午前11時、破産債権の届出期間は7月19日迄となっている。また、破産管財人には市川穣弁護士(LM虎ノ門南法律事務所、東京都港区虎ノ門1-15-12 日本ガス協会ビル5階、電話:03-3502-6456)が選任されている。負債額は債権者約150名に対し約15億円。
同社は山梨県の小淵沢町(現:北杜市)の出資により第三セクターとして2000年10月に設立されたアウトレットモールの運営会社。2001年7月に「八ヶ岳小淵沢リゾートアウトレット」(後に「八ヶ岳リゾートアウトレット」に改称)を開業。2006年には大洗町からの誘致を受け「大洗リゾートアウトレット」をオープンし、2007年6月期には約18億2600万円の年収入高を計上していた。2011年3月の東日本大震災では大洗の施設が被災し、1階に浸水被害を受けるなど営業再開に4か月、復旧費用に約16億円を要する被害を受けたが、東京電力グループからの補償金により採算を維持していた。
しかし、大洗の施設において土産物や特産品を販売する「大洗まいわい市場」とアニメ『ガールズ&パンツァー』のグッズ販売店「大洗ガルパンギャラリー」を運営する株式会社Oaraiクリエイティブマネジメントとの間で警備費の不正徴収をめぐるトラブルが発生し、大洗町との協議の結果、同施設を別企業に売却し撤退。その後、東京電力グループからの補償を求めた訴訟が棄却されるなど業況が回復しないなか、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け2022年6月期の年収入高は約2億3600万円にまで減少。コロナ関連融資で凌いでいたものの、大幅な債務超過に陥っていた。
八ヶ岳リゾートアウトレットについてもコロナ禍における集客減少からテナントの撤退が相次ぎ、経営が悪化。2022年以降は市や財産区への土地の賃料支払いが滞り、2023年3月には駐車場の大部分が利用不能となったほか、テナントの電気代を値上げしたにもかかわらず電力会社へは滞納するなど金銭面でのトラブルが相次いでいた。資金繰りが限界に達したことから2023年6月1日付で事業を停止し、今回の事態となった。また、同施設も電力会社からの送電停止の通告を受けたため、6月8日の営業をもって閉業している。

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