栃木県宇都宮市の旧ホテル経営「株式会社陽南荘宇都宮グランドホテル」に破産開始決定


官報(第987号)によると、栃木県宇都宮市の「株式会社陽南荘宇都宮グランドホテル」(代表清算人:中村 太三郎)は5月18日、宇都宮地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けたことがわかった。事件番号は令和5年(フ)第224号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は令和5年8月25日午後1時40分、破産債権の届出期間は6月19日迄となっている。また、破産管財人には蓬田勝美弁護士(蓬田勝美法律事務所、栃木県宇都宮市小幡2-2-11、電話:028-621-6651)が選任されている。

同社は1945年9月に創業し、1954年1月に法人改組した旧ホテル経営会社。創業当初は割烹旅館「陽南荘」として営業していたが、1971年に西洋式の「陽南荘宇都宮グランドホテル」に転換。県内では屈指の名門ホテルとして知名度が高く、昭和天皇をはじめとする皇族やマーガレット・サッチャー元英国首相など多くの要人が訪れた。江戸時代の宇都宮藩主の下屋敷を起源とする日本庭園や収容人数の多い大規模な宴会場を有しており、収益の大半も宿泊ではなく宴会利用が占めていた。

しかし近年は少子化・晩婚化の影響による宴会・婚礼需要の減少から経営不振となり、2016年に不動産・建物を地場不動産業の丸井物産に売却するとともに2016年8月に新会社「株式会社宇都宮グランドホテル」を設立。新会社にホテルの経営事業を承継し、以後は敷地内の割烹の営業のみを行っていた。2019年1月には割烹の営業についても新会社に承継し、同年8月に解散、清算処理に移行していた。


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