新潟県長岡市の染色加工業「いずみ染工株式会社」に破産開始決定


官報(第989号)によると、新潟県長岡市の「いずみ染工株式会社」(代表取締役:鹿田 純雄)は5月22日、新潟地方裁判所長岡支部から破産手続きの開始決定を受けたことがわかった。事件番号は令和5年(フ)第64号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は令和5年9月26日午前10時、破産管財人には黒田隆史弁護士(黒田特許法律事務所、新潟県長岡市今朝白3丁目3番1号、電話:0258-30-0500)が選任されている。負債額は約4億4000万円。

同社は1999年6月に設立された天然・化学繊維糸の染色加工会社。染色整理業「紺藤整染株式会社」から合理化を目的に泉工場を分離独立させる形で設立され、各種繊維糸の染色・漂白を主力事業としていた。なかでも紳士物のシャツの糸染加工では国内有数のシェアを獲得し、2007年5月期には6億2000万円の年間売上高を計上していた。また、新規事業として2010年2月に化粧品材料製造に進出し、シルクパウダーなどの製造を手掛けるほか、シルク化粧品の販売も行っていた。

しかし近年は繊維業界の構造不況により受注が減り、2017年5月期以降は売上が約3億円台となり、同期以降は連続で赤字を計上。さらに新型コロナウイルスの影響と過去の損失処理により、2020年5月期は売上高3億700万円、当期純損失5500万円に悪化するなど赤字体質から抜け出せない状態に陥っていた。このような中、ガス代を中心とする光熱費の高騰が収益を圧迫、資金繰りが限界に達したことから今回の事態となった。

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