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官報(第997号)によると、福岡県久留米市の「株式会社原武商店」(代表取締役:原武 康弘)と関連の「有限会社福岡リカーズ」(同所、同代表)、「丸文酒販有限会社」(福岡市城南区、同代表)、「株式会社大丸商店」(福岡県久留米市、同代表)、「有限会社吉富酒店」(同所、同代表)、「日本選抜株式会社」(同所、同代表)の計6社は6月1日、福岡地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けたことがわかった。事件番号は令和5年(フ)第789号・第790号・第791号・第792号・第793号・第794号で、破産管財人には佐藤至弁護士(佐藤・林法律事務所、福岡県福岡市中央区大名2-4-22新日本ビル5階、電話:092-712-6543)が選任されている。負債額は約52億円。
原武商店は1921年5月に創業し、1956年6月に法人改組した酒販チェーン経営会社。九州地区を営業エリアとする酒類卸小売業として酒類販売店に販路を構築していたが、規制緩和や複合店の進出などにより取引先が減少。そのため2000年4月に酒類販売店チェーン「Re-Lax(リラックス)」の展開を開始し、2010年には114店舗を展開するなどチェーンの規模は拡大し、2009年度のチェーン売上は約49億2100万円に達していた。
またこの間、天保年間に創業した老舗酒蔵の鷹正宗(福岡県久留米市)を買収し傘下に収める形で酒造事業に参入し、同事業を強化、2014年にはコンビニ大手ローソンのフランチャイズ店舗の経営を開始するなど業容を拡大させ、2022年8月期には約50億円の年間売上高を計上していた。しかし、利益水準は低く、金融機関からの借入金に依存した資金繰りが続いていたところ、決算書に疑義が生じ、2023年2月にはバンクミーティングが開催。そこで鷹正宗からの簿外借入金の存在など、不適切な会計処理が判明し、同社を含むグループ全体に対する金融機関からの支援が打ち切られていた。
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