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信用調査大手の東京商工リサーチ及び官報(第987号)によると、東京都渋谷区神宮前の「ダイヤモンド・ビッグ社」(代表清算人:三橋 和夫)は5月19日、東京地方裁判所から特別清算の開始決定を受けたことがわかった。事件番号は令和5年(ヒ)第2027号で、負債総額は2022年3月期の決算ベースでは約10億4977万円が見込まれている。
同社はダイヤモンド社からの事業分割により1969年9月に設立された出版社で、設立当初は就職情報誌を手掛けていた。その後、旅行関連の書籍・雑誌が主体となり、海外旅行ガイドブックとして知名度の高い『地球の歩き方』シリーズの編集・出版業務を中心に事業展開し、ピーク時の1996年9月期には約128億円の年間売上高を計上していた。出版不況もあり、発行部数は減少傾向にあったものの、近年はインバウンドの隆興からインバウンド旅行者向けの冊子等を制作していた。
しかし、新型コロナウイルスの影響により海外旅行関連の事業環境が大きく悪化。今後の事業の維持・発展を検討した結果、2021年1月に同社の主力事業である出版事業及びインバウンド事業を学研ホールディングス【TYO:9470】傘下の株式会社学研プラスに事業譲渡。事業譲渡後は業務見直しを進めたものの、2021年3月期に約14億円の赤字を計上し、債務超過に転落。同事業譲渡に関連して、同社の元代表らによる出版事業の譲渡決議の取消などを求めた訴訟が提起されていたが、2023年2月に東京地裁が請求を棄却。法的問題に目途がたったことから同年3月31日開催の株主総会で解散を決議し、今回の事態となった。
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