官報(第983号)によると、大阪市中央区淡路町の「丸松株式会社」(代表取締役:外海 大)は5月12日、大阪地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けたことがわかった。事件番号は令和5年(フ)第1728号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は令和5年7月27日午前11時、破産管財人には森拓也弁護士が選任されている。負債額は2022年9月期時点で約11億8000万円。
同社は1904年に田附メリヤス工場として創業し、1915年に丸松合資会社として法人改組した老舗ニットウエアメーカー。戦前は紳士用肌着をインド向けに輸出し、1938年には天津市に工場を建設するなど業容を拡大し、満州などに出荷していた。第二次大戦時の大阪空襲により本社・工場が消失したほか、終戦により天津工場などの拠点を接収されたが、1948年にニットの生産・輸出を再開し、ワールドやイトキン、TOKYO BASEなどを主要販売先としてOEM/ODM事業を展開。ピーク時の1991年9月期には約160億円の年間売上高を計上していた。
しかしその後はバブル崩壊や円高傾向による取引先の海外生産への移行から売上が減少傾向となり、業容の縮小を余儀なくされたため、商社機能を拡充するとともに、中国・福建省に三興丸松紡織有限公司を設立。2005年9月期以降は約20億円前後の売上を維持していたが、赤字の散発や取引先への支払遅延などが発生していたほか、金融機関にリスケを依頼するなど、厳しい資金繰りを強いられていた。
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