官報(第976号)によると、東京都港区浜松町(登記簿上:茨城県水戸市)の「阿さ川製菓株式会社」(代表取締役:樫村 彰)は5月2日、東京地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けたことがわかった。事件番号は令和5年(フ)第2572号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は令和5年8月21日午後2時、破産債権の届出期間は6月6日迄となっている。また、破産管財人には本多一成弁護士(TF法律事務所、東京都千代田区平河町2-7-5 砂防会館本館3階、電話:03-6206-1310)が選任されている。負債額は約10億1000万円。
同社は1872年に和菓子の製造・販売を目的に創業し、1950年6月に法人改組した菓子メーカー。銘菓「吉原殿中」「水戸の梅」を中心に、「偕楽」「梅古木」「八菓撰」などの和菓子を製造・販売していた。「銘菓の老舗 あさ川」の屋号で和菓子店を、「ローザンヌ」の屋号で洋菓子店を展開、スーパーマーケットやショッピングセンター、駅ビルなどに13店舗を営業し、ピーク時の2004年3月期には約17億3000万円の年間売上高を計上していた。
しかしその後は東日本大震災の被災による影響で休業や閉店を余儀なくされた店舗があったほか、東京電力福島第一原発事故の風評被害により、2012年3月期は約13億円弱となっていた。その後も新型コロナウイルスの影響による土産物需要の縮小により、2022年3月期は約4億1200万円にまで売上が落ち込んでいた。なお、京成百貨店内にある水戸京成店など6店舗については山梨のASフーズが2023年4月に新設した新会社「阿さ川製菓株式会社」(茨城県笠間市、代表取締役:小田切 一哉)が承継し、営業を継続している。
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