官報(第976号)によると、島根県松江市の「有限会社井上楽器店」(代表取締役:井上 透)は5月2日、松江地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けたことがわかった。事件番号は令和5年(フ)第59号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は令和5年9月26日午後2時、破産債権の届出期間は5月30日迄となっている。また、破産管財人には弁護士法人山陰リーガルクリニック(島根県益田市中吉田町1085番地7 センタービル2階、電話:0856-25-7760)が選任されている。
同社は1927年に創業した楽器販売・音楽教室運営業者。YAMAHA製のピアノ・電子ピアノ・エレクトーンなどの鍵盤楽器及び楽譜を販売するほか、1978年以降はヤマハ音楽教室を運営。ピーク時には2000人を超える生徒数を誇る教室となり、1994年8月期には約6億円の年間収入高を計上していた。
しかしその後は景気低迷や少子化などの影響もあり楽器の売上、音楽教室の生徒数ともに減少傾向となり、2020年8月期には年収入高が約1億円、生徒数も650名に落ち込むなど大幅な赤字となり債務超過に転落していた。その後は経営立て直しのため、音楽教室の統廃合や中古楽器販売の強化などの施策を行っていたが、新型コロナウイルスの影響による音楽教室の休講により資金繰りが限界に達したことから今回の事態となった。
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