信用調査大手の帝国データバンク、東京商工リサーチ及び官報(第983号)によると、東京都渋谷区宇田川町の「オーサム株式会社」(代表取締役:堀口 康弘)は5月16日、東京地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けたことがわかった。事件番号は令和5年(フ)第2790号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は令和5年10月3日午後1時30分、破産債権の届出期間は6月20日迄となっている。また、破産管財人には川瀬庸爾弁護士(濱田法律事務所、東京都千代田区内幸町2-2-2 富国生命ビル7階、電話:03-3597-0741)が選任されている。負債額は2023年2月末時点で債権者約780名に対し約52億2000万円。
同社は1982年2月に有限会社レプビイハウスとして設立された雑貨店経営会社。設立当初はインテリアや生活雑貨、化粧品などの卸売を主体に事業展開していたが、1998年に直営店をオープンすると、小売業に経営の主軸を移し、「off & on(オフノオン)」「AWESOME STORE(オーサムストア)」の屋号で雑貨店を複数店舗展開。2014年11月時点で直営・FC含めて89店舗を展開、2018年6月期以降はオンラインの強化や経営資源集中のため、「AWESOME STORE」にブランドを統一。出店攻勢が奏功した2019年6月期には約55億円200万円の年間売上高を計上していた。
しかし近年は新型コロナウイルスの影響による集客の落ち込みから2020年6月期の年売上高は約45億9600万円に減少し、営業損益段階から赤字に転落。直近は61店舗の運営となっていたという。また、急速な出店に伴う借入金の増加により2022年には金融機関にリスケを要請し、中小企業活性化協議会のもと私的整理による再建を進めていた。2023年2月以降はスポンサーを募って事業再生計画案の提出を目指していたが、支援策がまとまらず、資金繰りが限界に達したことから今回の事態となった。
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