神奈川県相模原市の一般貨物自動車運送業「株式会社TRAIL」に破産開始決定 楽天モバイルへの不正請求に関与、日本ロジステックに連鎖


信用調査大手の帝国データバンク、東京商工リサーチ及び官報(第953号)によると、神奈川県相模原市(登記簿上の本店所在地:東京都港区芝公園)の「株式会社TRAIL」(代表取締役:濱中 治)は3月29日、東京地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けたことがわかった。事件番号は令和5年(フ)第1615号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は令和5年8月22日午後2時、破産債権の届出期間は5月12日迄となっている。また、破産管財人には田川淳一弁護士(功記総合法律事務所、東京都中央区日本橋人形町3-6-7人形町共同ビル3階、電話:03-5614-0201)が選任されている。負債総額は2022年3月期決算時点で約54億9964万円だが、東京国税局から70億円超の所得隠しを指摘されているなど大幅に変動する可能性があるという。

同社は2014年7月に設立された一般貨物自動車運送業者。一般貨物運送事業を主体として、倉庫内物流業務の請負、労働者派遣事業などを手掛け、宮城県から沖縄県まで、全国に16カ所の拠点を開設していた。2020年3月期中に一般貨物自動車運送事業の許可を受ける以前は協力会社に外注する形で事業展開を図っていたが、自社配送の割合を高めた結果、業歴は浅いながらも同業界で経験を積んだ代表の人脈を生かし受注を確保し、2020年3月期には約26億400万円の年収入高を計上していた。楽天モバイルの携帯電話基地局設備に関連した日本ロジステックからの部材配送の受注増加を背景として業績は急伸し、2021年3月期は約92億100万円、2022年3月期には約192億6100万円の年収入高を計上していた。

しかし、主力得意先であった前述の日本ロジステックや当社が楽天モバイルに対して不正な水増し請求をしていたことが発覚し、日本ロジステックが民事再生法の適用を申請する事態となった。そのため、日本ロジステックに対して多額の不良債権が発生したことで、事業継続が困難となったころから3月23日に自己破産の申請を行い、今回の事態となった。



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