官報(第959号)によると、富山県南砺市の「株式会社源喜」(代表取締役:齊藤 文治)は4月10日、富山地方裁判所高岡支部から破産手続きの開始決定を受けたことがわかった。事件番号は令和5年(フ)第32号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は令和5年7月6日午前10時45分、破産債権の届出期間は5月22日迄となっている。また、破産管財人には川原拓也弁護士(川原法律事務所、富山県高岡市中川上町10-14 ソーラービル4階、電話:076-628-8020)が選任されている。負債額は約9000万円とのこと。
同社は1900年に創業した旅館の経営会社。富山県内有数の歓楽街として栄えた南砺市福光観音町で料亭「松風楼」を経営。元遊郭で、料亭旅館でもある建物は2014年に国登録有形文化財の指定を受けており、風情を楽しめる空間が魅力であった。事業としては旅館経営よりも慶事・法要などの際の弁当や懐石料理の提供に重きを置いていたが、会食を伴う接待の減少や観光客の減少により来店客数は徐々に減少。新規事業として電子水生成器の販売を手掛けるなど事業の立て直しを図っていたが、新型コロナウイルスの影響により2020年12月期の年間売上高は約2500万円にまで落ち込んでいた。このような中、調理担当でもあった代表が体調不良となり、後継者も不在であったため、事業継続は困難と判断し、2022年5月に事業を停止していた。
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