東京都足立区の絨毯・織物販売業「フジライトカーペット株式会社」に破産開始決定 百貨店業界の衰退により業績悪化


官報(第956号)によると、東京都足立区西伊興の「フジライトカーペット株式会社」(代表取締役:辻田 健二郎)は3月31日、東京地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けたことがわかった。事件番号は令和5年(フ)第1800号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は令和5年7月25日午前10時、破産債権の届出期間は5月12日迄となっている。また、破産管財人には南賢一弁護士(西村あさひ法律事務所・外国法共同事業、東京都千代田区大手町1-1-2大手門タワー、電話:03-6250-6200)が選任されている。

同社は1908年に創業し、1933年3月に株式会社に法人改組した株式会社辻田文平商店を前身とする絨毯、織物の輸入販売業者。創業当初は堺緞通と三笠織敷物の製造業者として事業を展開し、1923年には百貨店との取引を開始。第二次世界大戦後は三笠織の製造を再開するとともに、関東以北、九州一円、広島商圏など地域ごとに販売会社を設立していたが、1969年にこれら地域会社及び製造会社を統合。この間、1958年に欧州製の敷物の輸入を開始するなど、徐々にメーカーから専門商社に軸足を移し、全国の百貨店や家具店向けにゴブラン・シェニールやペルシャ絨毯といった中・高価格帯の絨毯を販売。最盛期となる2007年2月期には約45億6000万円の年間売上高を計上していた。

しかし、販路を百貨店、高級家具店に限定していたことから、景気後退やデフレによる百貨店業界の衰退とともに業績が悪化、2017年には借入金の圧縮を目的として本社不動産を売却し財政再建に努めたが、不動産を担保とする形での資金調達が行えなくなったことから資金調達力が低下し、2019年には赤字転落していた。


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