官報(第964号)によると、岐阜県大垣市の「株式会社キャナリィ21」(代表取締役:加納 敏彦)は4月14日、岐阜地方裁判所大垣支部から破産手続きの開始決定を受けたことがわかった。事件番号は令和5年(フ)第30号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は令和5年8月7日午後1時30分、破産債権の届出期間は5月15日迄となっている。また、破産管財人には渡部智也弁護士(渡部法律事務所、岐阜県大垣市藤江町2-59、電話:0584-77-3901)が選任されている。負債額は約9000万円。
同社は1999年8月に設立された食品・化粧品製造業者。設立当初は食用ヒアルロン酸及び天然ヒアルロン酸を用いた基礎化粧品専門会社として事業を展開。2000年頃からは高級卵として知名度の高い烏骨鶏に関する研究を開始し、2002年に烏骨鶏農場を買収。2003年には食品メーカーと協力して「烏骨鶏信長かすていら」や「烏骨鶏プリン」などの菓子製造・販売を開始するなど業容を拡大し、同年9月期には約4億3000万円の年間売上高を計上していた。
その後は「元祖ウコッケイ本舗」の屋号で烏骨鶏原料を使用した健康食品やエイジングケア化粧品を開発・製造・販売するほか、健康食品メーカー等他社に烏骨鶏原料を供給。2010年に岐阜市内に「烏骨鶏信長庵」、2015年に大垣駅前商店街に「烏骨鶏ドゥースフォレ」の屋号で販売店を開設、自社牧場で採卵した烏骨鶏卵や前述の菓子類などを販売していた。
近年は鳥インフルエンザの感染防止対策費用が嵩んだほか、飼料価格の高騰により採算性が悪化。2021年には食用コオロギ粉末を使用した菓子「コオロギせんべい」の企画・販売を手掛けるなど経営再建に取り組んでいたが、新型コロナウイルスの影響もあり、同年9月期の年間売上高は約8400万円にまで落ち込み、厳しい資金繰りを余儀なくされていた。
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