埼玉県越谷市の家具卸「株式会社萬代」に破産開始決定 家具販売業界の再編対応に乗り遅れ


官報(第956号)によると、埼玉県越谷市の「株式会社萬代」(代表取締役:橋本 正己)は4月4日、さいたま地方裁判所越谷支部から破産手続きの開始決定を受けたことがわかった。事件番号は令和5年(フ)第153号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は令和5年6月30日午前10時20分、破産債権の届出期間は5月26日迄となっている。また、破産管財人には菅沼博文弁護士(菅沼法律事務所、埼玉県越谷市越ヶ谷1-11-35 吾山ビルⅡ4階、電話:048-969-3801)が選任されている。負債額は約2億1000万円。

同社は1950年10月に日用品荒物雑貨卸商として創業し、1952年7月に法人改組した家具卸販売業者。家庭用家具からオフィス家具まで幅広い商材を取り扱い、国内外の家具メーカーから商品を仕入れていたほか、一時期は自社製造も行っていた。販売先についても大手家具小売業者のほかホームセンターや通信販売業者まで幅広く対応し、2002年12月期には約21億5500万円の年間売上高を計上していた。

しかし、生活様式の変化などから家具業界においてはニトリやイケア・ジャパンなど製造小売業者が台頭するなど業況が大きく変化するなか、主要取引先が廃業や家具販売業界の再編などを受けて売上が大きく減少。新型コロナウイルスの感染拡大による行動制限が行われた2021年12月期には年間売上高が約2億8000万円となり、赤字転落する事態となっていた。

その後はコロナウイルスの感染拡大時期に行われたゼロゼロ融資を受けたほか、本社不動産の売却などで借入金の圧縮を行うことで凌いでいたが、資金繰りが限界に達したことから3月2日に事業を停止し、今回の事態となった。



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