信用調査大手の帝国データバンクおよび東京商工リサーチによると、山形県酒田市の太陽光発電設備販売「株式会社チェンジ・ザ・ワールド」(代表取締役:池田友喜)は2月27日、東京地方裁判所に自己破産を申請し同日、破産手続きの開始決定を受けたことがわかった。破産管財人には野田聖子弁護士(永沢総合法律事務所、東京都中央区日本橋3-3-4、電話:0234-43-6203(コールセンター))が選任されている。負債額は債権者1万2194名に対して38億4084万9996円とのこと。
同社は2014年2月に設立された営農型太陽光発電所(ソーラーシェアリング)の運営会社。「社会的で革新的な事業に挑戦しより良いカタチに世界を変える」をミッションとして営農型太陽光発電所に関するコンサルティングおよび建設を主力に事業を展開し、2017年7月には同社が建設したソーラーシェアリング型太陽光発電所をはじめとする再生可能エネルギー発電所を1ワット約300円で小口購入できるウェブサービス「ワットストア」のサービスを開始。好評を博し、2021年7月には環境貢献特化(=売電収入が発生しない)の太陽光発電所「グリーンワット」が約14時間で完売するなど、SDGs界隈において話題を集めていた。また、「酒田市特別応援チケット」などを販売する先払い電子チケットサービス「もっけ玉」を非営利で運営するなど、地域貢献の分野での活動も行っていた。
上場企業からの出資やクラウドファンディングによる資金調達を重ねながら事業を拡大していたが、人件費やパネル価格の高騰などによるコスト増加や焦付債権の発生などにより余裕のない資金繰りが続いていた。2022年1月期には過去最高となる売上高10億9871万円を計上したものの、約3億2000万円の赤字を計上し債務超過に転落。さらに、2022年6月には預託等取引に関する法律が改正され、「ワットストア」に関して法律に準拠した形での事業継続が困難となるなど、経営環境が一変していた。同年12月に取締役CFO、2023年1月には取締役管理本部長が相次いで辞任するなど信用不安が高まっていたなか、資金繰りが限界に達し今回の措置となったという。
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