三菱重工子会社、ノルウェーの二酸化炭素（CO2）回収実験施設での技術実証試験が完了したと発表

三菱重工【7011】は10月19日、傘下の三菱重工エンジニアリング株式会社（横浜市）がノルウェーに所在する世界最大級の二酸化炭素（CO2）回収実験施設「モングスタッドCO2回収技術センター（TCM：Technology Centre Mongstad）」で実施していた、同社が開発を進めていた新型のCO2吸収液に関する実証試験が完了し、商用化の工程が完了した発表した。試験では良好な試験結果が得られたとしており、関西電力【9503】と共同開発したCO2回収技術「Advanced KM CDR Process™」に用いられる新型アミン吸収液「KS-21™」の拡販を今後進めていくとしている。

今回行われた実証試験は、CO2回収分野における最先進国の一つであるノルウェーで2021年5月初旬から8月末まで実施され、KS-21™の性能確認では、TCM施設内のガスタービンから排出された排ガスに対するCO2回収率の条件を業界標準（約90%）より高い95～98%に設定して試験を行ったという。その結果、化学吸収法に使用される一般的なアミン吸収液（MEA）を大きく凌駕し、同社既存のアミン吸収液（KS-1™）をも上回る優れた省エネルギー性能と運用コストの低減、および低いアミンエミッションを確認したという。また、運転条件を変更して実施した高CO2回収率試験では世界最高水準となる99.8%の回収率を達成し、大気中に含まれるCO2濃度を下回るレベルまで排ガスからCO2を回収することに成功したとしている。