富山県富山市の総合建設業「相澤建設株式会社」に破産開始決定 関連会社への資金投下で借入過多に


信用調査大手の帝国データバンク、東京商工リサーチ及び官報(第486号)によると、富山県富山市の「相澤建設株式会社」(代表取締役:相澤 行広)は4月23日、富山地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けた。事件番号は令和3年(フ)第48号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は令和3年9月6日午前10時30分、破産債権の届出期間は6月2日迄となっている。また、破産管財人には山本賢治弁護士(山本賢治法律事務所、富山県富山市堀端町2-2、電話:076-421-1868)が選任されている。負債額は債権者約124名に対し、同社単体で約34億円が見込まれている。

同社は1974年9月に設立された総合建設業者。官公庁や民間企業、一般個人などから商業ビルやマンション、店舗、学校、住宅等の建築工事を受注し、近時は、医療関係の個人クリニックや福祉施設の新築工事が増加していた。

業績の面ではバブル期の1991年2月期に完成工事高(年間売上高に相当)で約45億9874万円を計上していたが、バブル崩壊後は業容を縮小したこともあり、業績は右肩下がりとなったものの、近年の完成工事高は約20億円前後を維持し、2020年2月期では約18億円の完成工事高を計上していた。他方、グループ会社の株式会社ゆらら(富山県砺波市)が運営するスーパー銭湯「湯来楽 砺波店」の土地を同社で所有するほか、グループ会社による不動産開発への資金投下などにより、2020年2月期決算では、完工高を上回る借入金を有するなど借入過多の状況にあったという。

2021年2月期においても本業である建設業においては一定の受注を確保していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響による営業自粛などで苦戦するグループ会社もあり資金繰りが悪化。支払いの目処がたたなくなり、今回の措置になったという。

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