信用調査大手の帝国データバンク及び東京商工リサーチによると、東京都千代田区神田須田町(登記上の所在地:東京都板橋区若木)の「株式会社アクアマリン」(代表取締役:鍋田 洋子)は8月3日、東京地方裁判所に自己破産を申請し8月4日、同裁判所から破産手続きの開始決定を受けた。財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は11月6日午後2時30分で、破産管財人には尾原央典弁護士(関口総合法律事務所、東京都千代田区霞が関1-4-1 日土地ビル10階、電話:03-3503-8777)が選任されている。負債額は債権者約85名に対し約4億6490万円とのこと。また、関連会社で同業の「株式会社イージーエイト」と「株式会社プログレス」(いずれも同所、代表取締役:鍋田 文和)も近日中に自己破産を申請する見込みだという。
同社は2011年10月に設立されたキャラクターグッズ・フィギュア等の商品企画・販売会社。人気ゲーム「Fate」シリーズや「アイドルマスター」シリーズ、人気アニメ「ご注文はうさぎですか?」「ソードアート・オンライン」「NEW GAME!」などのキャラクターのフィギュアを中心に、缶バッジ、チャーム、キーホルダー、モバイルバッテリーなどのグッズの企画・販売を手掛けていた。主力製品のフィギュアに関しては、原型を同社で製作し、製造を国内外の協力工場に委託。大手ホビーメーカーや玩具小売業者に営業基盤を構築したほか、「コミックマーケット」「ワンダーフェスティバル」といった大型イベントへの出展で認知度を高め、2017年9月期には約5億700万円の年間売上高を計上していた。
その後も同事業を主体にしつつ、東莞市鴻泰自動化設備有限公司(中国・広東省)の3Dプリンターを導入し、「3Dプリンター出力サービス」を開始する*1 などキャラクタービジネスに止まらないビジネス展開を目指していたが、2019年9月期には赤字に転落するとともに債務超過の状態となり、資金繰りが厳しい状態となっていた。同業他社との競争激化のなか、フィギュアを中心に既存得意先からの受注を確保していたものの、新型コロナウイルスの感染拡大により2020年1月から主要な製造委託先であった中国の協力工場での稼働率が低下。新商品の発売時期を延期するなどで凌いでいたが、その後の国内での感染拡大による大型イベントの自粛により商品の受注が困難となり、資金繰りが限界に達したため、今回の事態となった。
なお、帝国データバンクによると、同社は破産手続きを進めつつ、弁護士との協議のもと、事業継続の可能性について模索しているという。
*1:株式会社アクアマリン『3Dプリンター出力サービス』近日開始(PRTIMES、2019年7月26日 18時51分)
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