信用調査大手の帝国データバンク、東京商工リサーチ及び官報(第267号)によると、大分県日田市の「有限会社リバーサイドホテル山水」(代表取締役:松尾 久司)は5月29日、大分地方裁判所日田支部から破産手続きの開始決定を受けた。事件番号は令和2年(フ)第14号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は令和2年9月14日午後1時30分、破産管財人には森正憲弁護士(森法律会計事務所、大分県日田市川原町1-32、電話:0973-27-6606)が選任されている。負債額は2019年9月期末時点で約9億3000万円とのこと。
同社は1951年に創業し、1977年10月に法人改組した温泉旅館「リバーサイドホテル山水館」の経営会社。同旅館は筑後川本流の上流部にあたる三隈川を一望できる立地に位置する和室型(和室:22・和洋室:2)の旅館。単純アルカリ泉の大浴場「檜水の湯」「岩風呂の湯」を有し、神経痛やリュウマチ、婦人病などに効能があったという。5月下旬から10月末までは追加料金を支払うことで屋形船での夕食や鵜飼鑑賞をすることができるプランを提供。2000年9月期には約3億2000万円の年間売上高を計上していた。
しかし、2016年4月に発生した熊本地震の影響により宿泊者が減少。近年はインバウンド需要に注力していたが、2019年9月期の年間売上高は約1億4000万円にまで縮小していたうえ、施設老朽化により2014年頃に実施したロビーや大浴場、客室などの改装工事の費用などが重く、債務超過に陥っていた。2018年3月には本店不動産が日田市からの差し押さえを受けるなど、資金繰りが逼迫していた中、新型コロナウイルスの影響により売上が急減。日本全国に出された緊急事態宣言により4月中旬から休業を余儀なくされていた。その後、大分県内での緊急事態宣言は解除されたものの、客足の回復が見込めないことから今回の事態となったという。
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