あくびコミュニケーションズは2015年3月に設立された電力小売事業者。設立当初は居宅介護サービスのほか、「あくびネット」の名称でISP(インターネットサービスプロバイダ)を展開。オプションとして米ウェブルート社のセキュリティソフトがベースの「みまもりセキュリティ」を提供するほか、関連会社に介護・福祉用具レンタル事業を展開する株式会社あくび(埼玉県川口市)があることから、要支援・要介護認定を受けた利用者・家族を対象に「ケア割」の名称で割引サービスを展開。近年は関連事業としてMVNO「AKUBI Mobile」を展開するなど、通信事業を強化したほか、電力小売自由化を受け、電力供給サービス「AKUBIでんき」を開始していた。
しかし、この「AKUBIでんき」の営業・勧誘の際、「電気料金の総額が毎月5%安くなる」などと告げながら、実際には一部しか安くならないなどの特定商取引法違反の事由があったことから、2019年4月に消費者庁から一部業務の停止命令を受け*2、信用性が低下。また最近では、数カ月分の料金の前払いを条件とする「まとめ割」を2019年7月に「AKUBIでんき」の利用者の一部に、2019年12月には利用者に情報提供をせずに1336件の顧客に適用して7752万円を過大徴収するなど、電気通信事業法に違反する事案がみられたことから、総務省は2020年2月28日付で業務改善命令を出していた*3。同社はこの行政処分の同日に自己破産の申請を行ったという。また3月2日には、経済産業省があくびコミュニケーションズが再生可能エネルギー特別措置法に基づく納付金を2020年3月2日までに納付していなかったことを発表している。*4
*1:株式会社フォーバルテレコム(E04476)臨時報告書(PDF文書)
*2:電力小売会社に業務停止命令 消費者庁(日本経済新聞社、共同通信、2019年4月26日)
*3:あくびコミュニケーションズ株式会社に対する業務改善命令(総務省総合通信基盤局、2020年2月28日)
*4:経産省、指定期限までに納付金を納付しない電気事業者2社を公表(NETIB-NEWS、2020年3月16日)
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