広島市安佐南区の第2種旅行業「株式会社愛トラベル」に破産開始決定

信用調査大手の帝国データバンク、東京商工リサーチ及び官報(第217号)によると、広島市安佐南区川内の「株式会社愛トラベル」(代表取締役:南波 好紀)は3月10日、事業を停止し、自己破産を広島地方裁判所に申請。翌日の3月11日に広島地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けた。事件番号は令和2年(フ)第176号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は令和2年6月17日午後2時、破産管財人には中田憲悟弁護士(はばたき法律事務所、広島県広島市中区八丁堀6-7 チュリス八丁堀504、電話:082-502-3915)が選任されている。負債総額は債権者約1100名に対して約3億円。このうち、旅行代金を事前に支払済みの債権者は約1000名で、旅行代金の総額は約3000万円強に上るという。また両社によると、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を受けて法的申請をしたケースは中国地方では初めてだとしている。

同社は1998年6月に設立された第2種旅行業者。「アイツアー」の名称で日帰りや数泊程度のバスツアーを企画・催行し、新聞広告・オリコミ広告などで訴求。1999年・2000年と2年連続で主催旅行実績全国1位となるなど、年間約10万人程度に利用されていたほか、個人旅行や出張の手配などを展開し、ピークの2002年5月期には約20億円の年間売上高を計上していた。その後も約14億円前後の売上高で推移していたが、2010年9月に総務省が行った貸し切りバス事業への指導・監督強化のほか、同業者との競争激化、節約志向の高まりなどにより業容を縮小。2011年5月期には売上高が10億円を割り込むなど、低迷が続いていた。

このため、2015年からバスを自社保有する形での運行に切り替えるなど、業務改善に取り組んでいたが、2018年夏に発生した西日本豪雨災害の影響による運行停止やキャンセルにより売上が大幅に低下。日帰り旅行を増やしたほか、割安感のあるツアー旅行を企画するなど立て直しを図っていたが、最近の新型コロナウイルス(COVID-19)の影響による需要鈍化でツアー中止を余儀なくされたため、経営継続が不可能な状態に陥ったとしている。




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