東京都品川区のパソコン部品・周辺機器卸売業「マスタードシード株式会社」他2社に破産開始決定 仕入元との契約終了で業績が大幅に悪化

信用調査大手の帝国データバンク、東京商工リサーチ及び官報(令和元年6月26日 号外第49号)によると、東京都品川区南大井(登記簿上の本店所在地:東京都大田区大森西)の「マスタードシード株式会社」(代表取締役:宮田 鴻志)と関連会社の「マスタードギガ株式会社」「エース・プラス株式会社」(いずれも同代表)は6月12日、東京地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けた。事件番号は令和元年(フ)第3770号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は令和元年9月5日午後2時30分、破産債権の届出期間は7月10日迄となっている。また、破産管財人には近藤丸人弁護士(近藤丸人法律事務所、東京都中央区銀座1-8-21 第21中央ビル7階、電話:03-3567-6261)が選任されている。負債総額はマスタードシード単体で約20億円とのこと。

同社は1992年3月に設立されたパソコン周辺機器卸売会社。自作パソコン向けのマザーボードなどの部品や周辺機器の卸売を主体に事業展開し、主に秋葉原周辺のBTO PC専門業者への卸売を行っていた。仕入はASRock IncorporationやUMAXなど、台湾、中国、シンガポール、米国などの海外メーカーからの輸入が中心で、一部業者においては国内販売代理店としての契約も締結。特にマザーボードメーカーの正規代理店としての業界内での知名度は高く、近年は家電量販店にも販路を拡大、主力商材の売れ行きが好調であった2016年12月期には51億4942万円の年間売上高を計上していた。

しかし、同業他社との価格競争や既製PCの価格下落による自作パソコン需要の縮小により販売が鈍化。業容拡大に伴い資金需要が増加し、金融債務の負担が増していたうえ、一部仕入元との代理店契約終了などの業況の変化により財務内容が大幅に悪化し、2017年12月期の年間売上高は48億6174万円に減少していた。そのため、金融機関に対する返済遅延が生じたため、リスケを要請するなど再建を目指していたが奏功せず、2019年3月4日に事業を停止し、事後処理を弁護士に一任していた。

マスタードギガは2007年6月に設立されたパソコン周辺機器及び服飾用品の輸入販売業者。もともとは技嘉科技股份有限公司(台湾、GIGABYTE)とマスタードシードの合弁会社として設立されたパソコン周辺機器販売業者で、GIGABYTEブランドのベアボーンやCPUクーラーなどを日本国内の各社に卸販売していた。近年はRAIDON TECHNOLOGY,INC(台湾)のThunderbolt3 対応のRAIDシステムやWindows用内蔵ストレージコンポーネントのほか、米カリフォルニアで急成長したスポーツウェアブランド「VIRUS」と販売代理店契約を締結し、Amazon.co.jpなどで販売していた。エース・プラスは1992年11月の設立で、こちらもパソコン周辺機器の販売業者であった模様。


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