福島県郡山市の建設・設備資材販売業「株式会社日伸」他1社に破産開始決定 電気代不要の自動ドア「オートドア・ゼロ」を展開

官報(平成31年4月12日 号外第75号)によると、福島県郡山市の「株式会社日伸」(代表取締役:橋本 保)と関連会社で福島県会津若松市の「株式会社有紀」(同代表)は3月28日、福島地方裁判所郡山支部から破産手続きの開始決定を受けた。事件番号は平成31年(フ)第38号・第39号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は令和元年7月1日午後3時、破産管財人には伊藤高史弁護士(伊藤法律事務所、福島県郡山市八山田5-423、電話:024-973-6136)が選任されている。

今回、経営破綻した2社のうち、有紀は2001年4月に有限会社有紀建築設計事務所として設立された建材メーカー。地元産の会津桐や会津吉祥杉を原料とする建材の開発・製造・販売を事業としていたが、2008年3月に「てこの原理」を利用した電気の要らない自動ドア「オートドア・ゼロ」を建築建材展に出展。同年5月には製品化を開始していたが、認知度の低さから2011年までの販売数は4台にとどまっていた。このような中、2011年3月11日に発生した東日本大震災による計画停電の影響から同製品が注目を浴び、同年にオープンした渋谷ヒカリエや外食チェーンなどが採用。BSジャパン(現:BSテレ東)のドキュメンタリー番組「日経スペシャル アジアの風~小さな挑戦者たち~」にも取り上げられていた。

その後も同製品及び改良型や振動検知照明装置「マモリアZ」、高性能反射板を搭載したLED管「ルキア」「ルキアベースライト」など、建材や福祉用品を販売していたが、「オートドア・ゼロ」はランニングコストこそ低いものの、導入に際して50~70mmの掘り込み工事が必要となるなど通常の自動ドアと比較してコストが高かったことなどから、販売が低迷。親会社で建設・設備資材販売業「日伸」からの借入金で凌いでいたが、震災復興需要が一巡したことから親会社の業績も低迷し、資金繰りが逼迫した状況となっていた。なお、「オートドア・ゼロ」については製造委託先だった日章工業(福岡県)が承継している。


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