同法人は2005年9月に「弁護士法人法律事務所Active Innovation」として設立された弁護士法人。企業法務のほか、損害賠償請求、債務整理、相続など幅広く手がけ、一時は札幌、仙台、大阪、広島、福岡に拠点を開設していた。今回の事態は同法人の経営者(代表弁護士)である菅谷公彦弁護士(当時)が女性から遺産分割調停事件の処理の依頼を受任し調停が成立したものの、相手方から得られた金銭が菅谷弁護士側の預金口座に入った後、女性が受け取るはずの約6000万円(東京弁護士会の懲戒処分文書によると報酬等費用清算後の金額は5332万2042円)を支払わずに音信不通となったことから、女性が慰謝料を含めて7100万円の損害賠償を求めて提訴。菅谷弁護士が3回の口頭弁論に現れなかったことから請求通り約7100万円の支払いを命じる判決を受けたことなどによるもの。この訴訟に至った経緯から東京弁護士会は2017年7月12日付で同氏に対して懲戒処分としては最も重い除名処分を下し、社員資格を喪失。同弁護士法人は社員の欠乏により、解散し、清算処理に移行していた。
なお、除名処分を受けた菅谷公彦氏はその後、2018年4月に警視庁により逮捕*1 され、同年5月に別件で再逮捕*2 、同年10月には東京地方裁判所から懲役6年(求刑:懲役8年)の判決を受けている。*3
*1:元弁護士、5300万円着服容疑 依頼人の預かり金 51歳男を逮捕(日本経済新聞、2018年4月26日)
*2:横領の元弁護士を再逮捕 着服金でプロレス観戦(産経ニュース、2018年5月16日)
*3:1.5億円を着服の元弁護士に有罪 東京地裁判決(日本経済新聞、2018年10月25日)
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