大阪府堺市の書店経営「株式会社天牛堺書店」に破産開始決定

信用調査大手の帝国データバンク、東京商工リサーチ及び官報(第7443号)によると、大阪府堺市の「株式会社天牛堺書店」(代表取締役:藤吉信彦)は1月28日、大阪地方裁判所堺支部に自己破産を申請し同日、破産手続きの開始決定を受けた。事件番号は平成31年(フ)第55号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は平成31年5月22日午後2時。申請代理人は根來伸旭弁護士(弁護士法人マーキュリー・ジェネラル、大阪府大阪市北区堂島浜1-4-16 アクア堂島NBFタワー11階、電話:06-6344-4800)が務め、破産管財人には沢田篤志弁護士(梅田総合法律事務所、大阪府大阪市北区堂島浜1-1-5 大阪三菱ビル6階、電話:06-6348-5566)が選任されている。負債額は帝国データバンクでは2018年5月期末時点で約16億4000万円、東京商工リサーチでは推定で約18億円としている。

同社は1963年12月に古本買取・販売店として創業し、1968年7月に法人改組した書店運営業者。古本買取店として発足したことから新書と古書を併売するほか、音楽CDや文具なども販売する形態で知られ、大阪府堺市を中心に「天牛堺書店」の屋号でピーク時には25店舗を展開していた。同社の古書・専門書の目利き力には定評があり、国立大学の図書館や研究室などへの取引実績も有するなど、教育機関や官公庁筋の卸売なども手掛け、1999年5月期には約29億900万円の年間売上高を計上していた。

しかしその後は、Amazon.co.jpなどのインターネット販売業者の台頭や携帯電話・スマートフォン向けの小説投稿サイトの登場、それに伴う紙の書籍に対する若年層の活字離れなどの影響により店舗の集客力が低下。売上が減少傾向となるなか、1998年2月に購入した本社不動産に対する投資負担や出店に係わる資金負担などが重く、不採算店舗を閉鎖したほか、トーハンからの人的支援の受け入れや金融機関の返済条件緩和措置など、経営再建策を講じていたが、一部債権者が預金差押を実施したことから今回の事態となった。

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