同社は1963年12月に古本買取・販売店として創業し、1968年7月に法人改組した書店運営業者。古本買取店として発足したことから新書と古書を併売するほか、音楽CDや文具なども販売する形態で知られ、大阪府堺市を中心に「天牛堺書店」の屋号でピーク時には25店舗を展開していた。同社の古書・専門書の目利き力には定評があり、国立大学の図書館や研究室などへの取引実績も有するなど、教育機関や官公庁筋の卸売なども手掛け、1999年5月期には約29億900万円の年間売上高を計上していた。
しかしその後は、Amazon.co.jpなどのインターネット販売業者の台頭や携帯電話・スマートフォン向けの小説投稿サイトの登場、それに伴う紙の書籍に対する若年層の活字離れなどの影響により店舗の集客力が低下。売上が減少傾向となるなか、1998年2月に購入した本社不動産に対する投資負担や出店に係わる資金負担などが重く、不採算店舗を閉鎖したほか、トーハンからの人的支援の受け入れや金融機関の返済条件緩和措置など、経営再建策を講じていたが、一部債権者が預金差押を実施したことから今回の事態となった。
コメントを投稿
削除申請等の場合は本人確認が可能な個人情報の入力が必要です。匿名での申請は受け付けておりません。