photo taken by Taisyo
信用調査大手の帝国データバンクおよび東京商工リサーチによると、広島市中区東千田町の「株式会社広電ストア」(代表清算人:脇本和男)は1月11日、広島地方裁判所から特別清算の開始決定を受けた。負債総額は帝国データが約70億円、
東京商工リサーチが約60億円としている。なお、負債の大半は親会社の広島電鉄向けだが、今回の負債に対する引当は行っていることから、影響は軽微だとしている。
同社は広島電鉄【9033】の完全出資子会社「広電興産株式会社(旧社)」として1960年3月に設立された元スーパーマーケット運営会社。1964年6月に1号店をオープンさせると、広島市内を中心に5店舗程度を展開。移動販売車での販売や不動産賃貸事業なども手掛け、最盛期の1992年3月期には約224億976万円の年間売上高を計上していた。
しかし、その後は大型商業施設の開業や競合店との競争激化に加え、長引く消費低迷の影響により2018年3月期の年間売上高は約71億7600万円にまで落ち込んでいた。この間、屋号を「マダムジョイ」に変更し、スクラップ・アンド・ビルドを進めたほか、広島電鉄の開業100周年記念事業として千田店敷地内にドイツのドムトルン電車を改造したレストラン「トランヴェール・エクスプレス」「ビストロ・トランヴェール」を展開し話題を喚起するなどの施策を行うほか、私鉄系のスーパーで組織される八社会のPV「Vマークバリュープラス」商品の供給を受けるなど、競争力の向上に努めていたほか、人件費や広告費の削減などに努めていたが抜本的な収益改善には至らず、自主再建を断念し、事業譲渡先などを探していた。
こうしたなか、親会社の広島電鉄とマックスバリュ西日本【8287】との間で事業譲渡についての基本協定書を締結するに至ったため、2018年10月1日に事業を譲渡し、10月31日の取締役会の決議により解散していた。
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