信用調査大手の帝国データバンクおよび東京商工リサーチによると、山形県山形市の「株式会社シベール」(代表取締役:黒木誠司)は1月17日、山形地方裁判所に民事再生法の適用を申請し同日、監督命令を受けた。申請代理人は粟澤方智弁護士(奥野総合法律事務所・外国法共同事業、東京都中央区京橋1丁目2?5 京橋TDビル 8F、電話:03-3274-3805)で、監督委員には田中暁弁護士(弁護士法人あかつき佐藤欣哉法律事務所、山形県山形市相生町5-25、電話:023-632-2070)が選任されている。負債額は帝国データバンクが約19億6500万円、東京商工リサーチが19億6298万円としている。
同社は1966年に創業し、1970年10月に有限会社シベールとして法人改組した洋菓子・パン製造会社。当初は山形市と仙台市での店舗展開だったが、売れ残りのフランスパンを味付けして焼いた「ラスク・フランス」がヒット。特に贈答用ラスクは通信販売を通じて全国的な知名度を有することとなり、2005年7月にはJASDAQに上場するまでに成長。なお、この頃には売れ残りのフランスパンの再利用ではなく、ラスク専用のフランスパンを使用したものとなっていたという。上場後はレストランやそば店の経営などに業容を拡大させ、ピークとなる2008年8月期には約44億5389万円の年間売上高を計上していた。
しかし、贈答習慣の変化による中元・歳暮などの需要減や競合商品の出現により、主力商品の「ラスク・フランス」の販売量が減少。さらに、「ラスク・フランス」に代わる商品を生み出すことができなかったことから2018年8月期の年間売上高は約26億7092万円に縮小し、2016年8月期から3期連続の営業赤字となったことから、継続企業の前提に関する重要事象を記していた。その後も採算性の改善が進まず、2019年1月18日に支払期限が到来する債務の弁済が困難となったことから今回の事態となったという。
なお現在、スポンサー候補として名前が挙がっている「Heart Bread ANTIQUE(ハートブレッドアンティーク)」などを展開する、株式会社オールハーツ・カンパニー(名古屋市中区)と事業譲渡の方向で調整を進めており、協議が成立した場合はオールハーツ・カンパニーが新設する新会社へ事業譲渡が行われる見込み。また、1月17日付で東京証券取引所から整理銘柄に指定されており、2月18日頃を目途に上場廃止となる模様。
■関連リンク
株式会社シベール
http://www.cybele.co.jp/
HEART BREAD ANTIQUE(株式会社オールハーツ・カンパニー)
https://www.heart-bread.com/