福島県いわき市の「株式会社ファーストスプリング」に破産開始決定　福島でホテル開業を目指すも資金不足で事業継続断念

当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

信用調査大手の帝国データバンクおよび東京商工リサーチによると、福島県いわき市の「株式会社ファーストスプリング」（代表取締役：小川晴也）は8月28日、東京地方裁判所に自己破産を申請し、9月5日に破産手続きの開始決定を受けた。破産管財人には土田一裕弁護士（新保法律事務所、東京都千代田区内幸町1-1-7 日比谷U-1ビル5階、電話：03-5511-1511）が選任されている。負債額は両社とも債権者9名に対し約15億7900万円としている。

同社は神奈川県・箱根で複数の旅館を経営する株式会社一の湯（神奈川県足柄下郡箱根町）の小川尊也社長の個人出資により設立されたホテルの建設・運営を目的とした法人。福島県楢葉町のJR常磐線竜田駅前に温泉付きビジネスホテルを開業することを目的に、約30億円を投資し、2018年8月の開業を目指していた。開業後は東京電力福島第１原子力発電所に事故対応などのため訪れる国や東電などの関係者の利用を見込んでいたほか、楢葉町民の交流拠点としても活用する予定だった。

その後、工事代金の一部11億円を建設元請け（JV）に支払い2017年6月に着工したものの、基礎工事の約1/3が終了した今年2月にJV側の資金トラブルで現場工事が中断。同社は工事の再開を目指して銀行団に融資交渉を行ったが不調に終わり、工事資金不足に陥り、債権者から仮差押の通告を受ける事態となったため事業継続を断念。今回の事態となった。