サッポロホールディングス、ルートレック・ネットワークスと共同でICT機器を用いた国産レモンの栽培技術実証試験を開始へ

サッポロホールディングス【2501】は3月20日、株式会社ルートレック・ネットワークス(川崎市麻生区)と共同で、ルートレック社のAI潅水施肥システム「ゼロアグリ」を使用したICTによる国産レモンの栽培技術確立の実証試験を今春より本格開始することを発表した。同システムを用いた果樹栽培は初の取り組みで、ハウス栽培だけでなく露地栽培においても同システムを使用し、これまで生産者の経験と勘に頼ってきたレモン栽培の効率化および高品質化を図るとしている。

リリースによると、国産レモンの生産量は年間約1万トンで、そのうちの約6割が広島県の島嶼部で生産されている。一方、国内のレモン需要年間55,000トンに達しており、生鮮品・加工品ともにほとんどを輸入に頼っている現状があるという。このような中、国産レモンの需要は拡大しており、同グループでは国産レモンの安定的な確保が大きな課題になっていたという。また、レモンの生産は十分な日照量確保のため、急斜面で行われることが多いため、生産者の高齢化が進む一方で、栽培面積の拡大や新規就農者の参入、それに伴う生産量の拡大が進まない状況にあるという。

このため、今回の研究では露地栽培における同システムの有効性と栽培面積拡大の実証と、施設栽培での作業効率化とレモンの高品質化の実証を行うことにより、栽培知見をデータ化することによる効率化と生産性の向上や栽培技術の伝承と新規就農者の拡大、急斜面での栽培となる生産地の負担軽減といった課題に取り組むとしている。なお、同研究はサッポログループが保有する広島県の大崎上島にある圃場を対象として行うとしている。

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