静岡市葵区のFA制御機器販売「株式会社電昭舎」に破産開始決定 自動車業界からの受注減で資金繰り悪化

信用調査会社の静岡商工データおよび官報(平成30年2月26日 号外第38号)によると、静岡市葵区の「株式会社電昭舎」(代表取締役:杉山武夫)は2月9日、静岡地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けた。事件番号は平成29年(フ)第661号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は平成30年5月16日午後3時、破産管財人には伊藤みさ子弁護士(静岡・市民法律事務所、静岡県静岡市葵区伝馬町9-10 NTビル601、電話:054-252-9555)が選任されている。負債総額は静岡商工データによると約8億4000万円。

同社は1963年11月に個人創業し、1967年4月に「有限会社電昭舎」として法人改組したFA制御機器の設計・開発・販売を事業とする会社。自動制御機器や部品の販売、また制御盤・操作盤の製作、CADシステムやパソコン・周辺機器などの販売を手掛け、スター精密【7718】や小糸製作所【7276】、三菱電機【6503】など県内外の大手企業などを得意先として営業展開していた。

しかし、取引先の製造拠点の海外移転などによる事業環境の悪化から経営不振に陥り、2003年に経営陣の刷新や組織体制の見直しを行うなど、経営の立て直しを図っていたところ、主力得意先だった自動車業界がリーマン・ショックによる設備投資の縮小を行ったことにより受注が減少。このため、大幅な人員削減などにより収益改善に努めていたが、受注量の確保に苦戦していたほか、2006年に完成した工場建設の際の借入金などの負担が重く、資金繰りが逼迫。このため、返済のリスケなどで凌いでいたが、代位弁済、担保不動産の競売開始決定を経て、今回の事態となったという。

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