同社は2007年9月に設立された建設機械販売・レンタル業者。建設機械の中でも解体工事用の特殊重機を多数保有するなど解体方面の重機に強みを持ち、2010年7月には約5億9400万円の年間売上高を計上していた。2011年3月に東日本大震災が発生すると、復興需要を取り込むべく、本店のほか、横浜市、藤沢市、埼玉県越谷市、宮城県、熊本県などに営業拠点を設置。韮崎市(山梨県)や平塚市(神奈川県)に車両置場を設置し、需要を迅速かつ幅広く広範に取り込む体制を構築することで、2017年7月期の年間売上高を177億1783万円にまで拡大させていた。
しかし、財政面では業容拡大が急速すぎたため規模の割には脆弱で、過小資本のまま銀行からの借入金が膨張するなど資金繰りは多忙な状況となっていた。また、急成長の原動力となったリース部門による中小企業向けの営業手法に対して様々な風評が立ち、2017年3月には東京国税局の監査において決算処理について指摘され約2億8000万円の追徴課税が発生するなど資金繰りに苦しむ事態となり、業界内においては信用不安がささやかれていた。
このようななか、2017年10月に大口取引先の1社だった土木工事業者「株式会社日商」(宮城県仙台市)が経営破綻し、多額の不良債権が発生。*1 取引先の警戒感が高まり信用収縮が一気に進んだ結果、資金繰りが困難となり自主再建を断念し、2017年12月26日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請していた。その後、最大の取引先であった株式会社エム・テック(さいたま市浦和区)がスポンサーとなり、民事再生に向けた動きがなされていたが、同社による循環取引や多重リースなどの問題が表面化したため、エム・テックが支援を撤回し、今回の事態となったという。
*1:但し、日商の経営破綻の原因は同社から債権回収の見込みがあったにもかかわらず、振り込みがなかったというものであるため、自業自得という見方もある。
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