官報(平成29年10月2日 号外第213号)によると、名古屋市中区栄の「中部証券金融株式会社」(代表清算人:湯本崇雄)は平成29年6月26日に開催された第84期定時株主総会の決議により、9月30日付で解散したことがわかった。なお、同社は解散決議時点ですべての債務履行に十分な資産を有しているため、通常清算に移行する予定だという。
同社は1943年8月に中部証券株式会社として設立された証券金融会社。設立当初は営団組織日本証券取引所(1947年に解散)の名古屋市場から東京市場への清算取引の取次業務を事業として展開していたが、第二次大戦終結後の1949年11月に証券担保金融業務を主業として事業を再開し、1950年に現商号に商号変更。以後は、証券金融会社として信用取引に必要な資金または株式を証券会社に貸し付けたり、個人・法人に対して有価証券を担保とする資金貸付などを業務としていた。
しかし近年は、ピーク時にあたる1990年度には700億円ほどあった賃借取引融資残高が10億円にまで減少し、金融商品取引業者や一般投資家への貸付事業についても他の金融機関との競合が激化したことから、ピーク時には500億円以上あった貸付金残高も50億円程度にまで減少していたことから、事業継続は困難と判断し、2017年2月8日に開催した取締役会において解散を決議する事態となっていた。なお、ながらく指定証券金融を同社としていた名古屋証券取引所は現在、同指定を日本証券金融に変更している。
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