相模原市緑区の環境装置製造「共立工業株式会社」他1社に破産開始決定 自治体案件の納入長期化が重荷に

信用調査大手の帝国データバンクおよび東京商工リサーチによると、相模原市緑区西橋本(登記上の本店所在地:相模原市緑区橋本台)の「共立工業株式会社」(代表取締役:上野賢美)と関連会社の「株式会社共立」(同所、同代表)は7月24日、横浜地方紙ア番所に自己破産を申請し、7月26日に破産手続きの開始決定を受けた。破産債権の届け出期間は8月28日までで、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は平成29年11月30日午後1時30分、破産管財人には小木正和弁護士(横浜東口法律事務所、神奈川県横浜市神奈川区金港町5-36 東興ビル8階、電話:045-620-6777)が選任されている。負債総額は帝国データバンクが共立工業が約13億円、共立が約18億円の2社合計で約31億円とする一方、東京商工リサーチでは2社合計で約25億円としている。

共立工業は1947年6月に創業し、1956年8月に法人化した環境装置製造業者。当初は大手重工メーカーの下請としてプラント用の圧力機器の製造を手掛けていたが、1998年頃から独自開発した環境関連装置の製造・販売に進出。特に食品廃棄物や汚泥などを再資源化、減量化する分別機や乾燥機を主力製品とし、それらに付帯するプラント一式の製造販売を手掛けていた。2006年7月には、真空装置の開発および真空装置と環境装置の販売部門を分社化して共立を設立し、製販一体となって事業を展開していた。大手企業のほか、日本全国の自治体、第三セクターなどへの納入実績を積み上げていたほか、海外への販路も構築し、2014年7月期には約18億6310万円の年間売上高を計上していた。

しかし、当社が主力としていた大規模リサイクルプラントは、各省庁からの補助金交付や許認可取得の遅れ等により納入が延期されるケースが散見され、案件の長期化による在庫滞留期間の長さや運転資金需要拡大に伴う借入負担が重荷となっていた。また、大型案件の納入長期化はその後も改善されず、また、海外向け廃棄物リサイクルプラントの納入予定が先方都合により延期となるなどの悪条件が重なり、2016年7月期には年間売上高が約9億1000万円にまで減少。前年の豪雨により浸水被害を受けた製品の棚卸資産廃棄損もあって最終損益は約2億1623万円の大幅欠損となっていた。

その後、先送りとなっていた案件の納入を続けたほか、欧州企業への技術ライセンス供与等による生き残りも画策していたものの、つなぎの運転資金をほぼ銀行借入に依存していたことから、資金繰りは限界に達し、今年3月31日に事業を停止し、民事再生法の適用申請など、再建型法的整理に向けて準備を進めていたが不調に終わったため、今回の措置となったという。


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