共立工業は1947年6月に創業し、1956年8月に法人化した環境装置製造業者。当初は大手重工メーカーの下請としてプラント用の圧力機器の製造を手掛けていたが、1998年頃から独自開発した環境関連装置の製造・販売に進出。特に食品廃棄物や汚泥などを再資源化、減量化する分別機や乾燥機を主力製品とし、それらに付帯するプラント一式の製造販売を手掛けていた。2006年7月には、真空装置の開発および真空装置と環境装置の販売部門を分社化して共立を設立し、製販一体となって事業を展開していた。大手企業のほか、日本全国の自治体、第三セクターなどへの納入実績を積み上げていたほか、海外への販路も構築し、2014年7月期には約18億6310万円の年間売上高を計上していた。
しかし、当社が主力としていた大規模リサイクルプラントは、各省庁からの補助金交付や許認可取得の遅れ等により納入が延期されるケースが散見され、案件の長期化による在庫滞留期間の長さや運転資金需要拡大に伴う借入負担が重荷となっていた。また、大型案件の納入長期化はその後も改善されず、また、海外向け廃棄物リサイクルプラントの納入予定が先方都合により延期となるなどの悪条件が重なり、2016年7月期には年間売上高が約9億1000万円にまで減少。前年の豪雨により浸水被害を受けた製品の棚卸資産廃棄損もあって最終損益は約2億1623万円の大幅欠損となっていた。
その後、先送りとなっていた案件の納入を続けたほか、欧州企業への技術ライセンス供与等による生き残りも画策していたものの、つなぎの運転資金をほぼ銀行借入に依存していたことから、資金繰りは限界に達し、今年3月31日に事業を停止し、民事再生法の適用申請など、再建型法的整理に向けて準備を進めていたが不調に終わったため、今回の措置となったという。
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