浜松市中区の不動産賃貸業「大発地所株式会社」に破産開始決定 バブル期に不動産開発も入居率低迷

信用調査大手の帝国データバンク、東京商工リサーチ、同中堅のデータ・マックス、および官報(平成29年4月13日 号外第80号)によると、浜松市中区大工町の「大発地所株式会社」(代表清算人:田口照雄)は3月31日、静岡地方裁判所浜松支部から破産手続きの開始決定を受けた。事件番号は平成29年(フ)第99号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は平成29年6月13日午後3時、破産管財人には村越啓悦弁護士(村越法律事務所、静岡県浜松市中区鍛冶町140-4浜松Aビル3階、電話:053-450-4250)が選任されている。負債総額については帝国データバンクおよびデータ・マックスが30億5272万円、東京商工リサーチが30億5200万円(いずれも債権者数は2名)としている。

同社は1988年7月に設立された不動産賃貸会社。バブル期に浜松市内に複数のビルを建設し、1990年8月には本社所在地に地上11階建ての「大発地所ビル(現:セキスイハイム鴨江小路ビルディング)」を建設したものの、1991年にバブルが崩壊。バブル崩壊以後は入居率が低迷するなど、厳しい経営を強いられていた。

物件開発にあたっては借入金に依存していたため、資金繰りの足かせとなっていたほか、返済遅延の発生などで物件が差し押さえられるなど、対外信用が失墜。このため、所有不動産を相次いで売却して債務の圧縮を図っていたが、物件の処理をほぼ終えた2012年以降は事実上事業実態がなくなっていた。2015年12月に解散登記され動向が注目されていたところ、3月27日に破産を申請したため、今回の措置となったという。


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