岩手県盛岡市の「株式会社MCH(旧商号:株式会社盛岡シティホテル)」他1社に特別清算の開始決定 ホテルは新設分割した盛岡シティホテルズが承継

信用調査大手の帝国データバンクおよび東京商工リサーチによると、岩手県盛岡市の「株式会社MCH」(代表清算人:村上和夫)と関連会社の「株式会社HRM」(同代表清算人)は平成28年12月22日、盛岡地方裁判所から特別清算の開始決定を受けた。申請代理人は大森剛弁護士(弁護士法人梅ヶ枝中央法律事務所、大阪府大阪市北区西天満4-3-25梅田プラザビル4階、電話:06-6364-2764)で、負債総額は2016年3月期末時点で株式会社MCHが約30億9100万円、株式会社HRMが約9500万円、2社合計で約31億8600万円となっているが、帝国データバンクでは変動する可能性があると付記している。

株式会社MCHは1951年に盛岡駅前において飲食店経営を目的として創業し、1971年4月に「株式会社盛岡シティホテル」として法人化した元ホテル経営会社。1973年1月に「盛岡シティホテル」を開業した後、1979年8月には「盛岡ニューシティホテル」を開業するなど業容を拡大。この間、東北新幹線の大宮 - 盛岡間の暫定開業(1982年6月)などもあり、業績は比較的好調に推移していたものと思われる。これを受け、1993年3月には盛岡市内中心部に立地するシティホテル「ホテルロイヤル盛岡」の運営会社である「株式会社ホテルロイヤル盛岡」(1976年7月設立)を約28億円で買収し、完全子会社として傘下に収めていた。

しかし、東北新幹線が新青森まで延伸され、全線開業する頃になると、大手ビジネスホテルチェーンなどの進出により競争が激化した上、宿泊単価を下げざるを得ない状況となったことなどから業績が悪化。また、盛岡シティホテルについてはホテルロイヤル盛岡の買収費用として借り入れた債務が財務面で負担となっていた。

このため、両社は2016年8月に新会社「盛岡シティホテルズ」(代表取締役:村上振一朗)を設立し、同市内の盛岡シティホテル、盛岡ニューシティホテル、ホテルロイヤル盛岡の3ホテルの経営に関する権利義務を承継。*1 同年9月には現商号に商号変更し、平成28年9月30日に開催された株主総会で解散を決議し、特別清算による債務整理手続きを進めていた。なお、事業承継が行われているため、3ホテルについては引き続き営業しているという。

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*1負債30億、特別清算の開始決定 盛岡の元ホテル業2社(岩手日報、2017年1月11日)

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