同社は1985年10月に設立された産業用電子部品卸業者。制御回路やトランジスタ、IC、LSI、コンデンサなどの電子部品の設計、部材調達、検品、仕分け梱包、配送などを主力に、一部輸出入の受託業務を手掛けていた。大手電機メーカーなどに営業基盤を構築し、取引先の海外進出に伴って製造や部品調達を担う現地法人を1990年から2002年にかけて上海や香港、シンガポール、インドネシアに次々と設立。グループ各社のネットワークを活用して営業網を拡大し、2006年4月期には約66億4600万円の年間売上高を計上していた。
しかし、電機メーカーの海外生産の加速に伴い、同業他社との受注競争が激化したほか、受注案件の小口化などにより売り上げが漸減したことで、2016年4月期の年間売上高は約22億2500万円と3分の1近くまで縮小。また、得意先からの価格引下げ要求に加え、現地法人設立に伴う金融債務も膨らんでいたことで、収益面も低調に推移していた。このため、2015年には金融機関へリスケ(返済計画の変更)を要請し、大阪府中小企業再生支援協議会の支援のもと再建計画を策定。リストラや販路拡大を実施したものの受注回復には至らず、取引先に支払遅延が発生するなど資金繰りはさらに悪化していた。ここに来て、先行きの見通しが立たないことから今回の事態となった。なお、上海ワールドエレクトロニクス(製造子会社)などの海外子会社の営業は継続しているという。
コメントを投稿
削除申請等の場合は本人確認が可能な個人情報の入力が必要です。匿名での申請は受け付けておりません。