東京都千代田区の飲食店経営「株式会社SEP(旧商号:シディークエンタープライゼズ)」に破産開始決定

信用調査大手の帝国データバンク、東京商工リサーチおよび官報(6929号)によると、東京都千代田区平河町の「株式会社SEP」(代表取締役:味庵・ラムザン・シディーク)は12月16日、東京地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けた。事件番号は平成28年(フ)第9019号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は平成29年3月21日午前11時、破産債権の届出期間は1月20日までとなっている。また、破産管財人には梶谷篤弁護士(梶谷綜合法律事務所、東京都千代田区大手町1-7-2東京サンケイビル18階、電話:03-5542-1453)が選任されている。負債額は債権者約130名に対し、約3億3000万円。

同社は1997年7月に「株式会社シディークエンタープライゼズ」として設立されたインド・パキスタン料理店経営業者。カレーを中心とするインド・パキスタン料理店「シディーク」を東京都および千葉県内に展開し、パキスタン出身の代表の下、現地シェフによる本格料理を提供していた。神田カレーグランプリで3年連続(2011年~2013年)準グランプリを受賞するなど知名度は高く、直営だけで最盛期には19店舗を運営し、ピーク時の2009年8月期には年売上高約6億9267万円を計上していた。

しかし、急速な店舗拡大の弊害で不採算店が続出したため、2009年以降は営業赤字が続き、出店費用などが重く債務超過に陥っていた。その後は順次不採算店舗の撤退を進めていたが、2011年3月に発生した東日本大震災を受けて、一部の外国人シェフおよび従業員が帰国したほか、経営効率化・採算性確保を目的に葛飾区に新設したセントラルキッチンの設備投資費用が来客数低下と相まって重い負担となり、財務内容が悪化。近時も競合店との競争にさらされ、最終的には5店舗まで店舗数が減少し、2015年8月期の年売上高は約3億3766万円まで低下していた。資金繰りの悪化にも歯止めがかからず、金融機関から借入金の返済条件変更などの支援を受けていたが、限界に達したため、今回の措置となったという。 なお、帝国データバンクによると、店舗は別会社により経営が継続されているという。

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