信用調査大手の帝国データバンク、および東京商工リサーチによると、広島市南区東雲本町の「アイエス株式会社」(代表取締役:長原正明)は12月7日、広島地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けた。破産管財人には今田健太郎弁護士(弁護士法人あすか東広島事務所、広島県東広島市西条栄町10-27栄町ビル5階、電話:082-493-7100)が選任されている。負債総額は破産申請時点で約465億9200万円で、金融債務が大半を占めるという。
同社は1975年8月に設立された総合不動産デベロッパー。広島市郊外地域の「安佐ニュータウン 星が丘」や「可部勝木台」などにおいて大型の宅地造成を行うほか、流通工業団地の造成や販売用マンション「メープル」シリーズおよび戸建住宅の建設・販売などを行い、1996年3月期には約20億9500万円の年間売上高を計上していた。
しかし、バブル崩壊に伴う不動産業界の低迷により多額の不良資産を抱え、2006年3月期以降は売り上げのない状態が続き、財務内容は大幅な債務超過が続いていたという。また、近時は広島市の北西部に位置する西風新都のうち、善當寺住宅地区(72ヘクタール)および善當寺工業地区(55ヘクタール)の開発を計画していたが、この開発計画が頓挫。これにより、不動産取得に伴う多額の借入金が重荷となって以降は厳しい資金繰りを余儀なくされ、2008年11月には広島市から社有不動産を差し押さえられるなど、対外的な信用が低下していた。このようななか、2016年6月に債権者から破産を申し立てられたため、今回の事態となったという。
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