横浜市西区のODM事業「REVSONIC株式会社」に破産開始決定 ソニーLSIデザインの架空取引関与の疑いで取引停止に

信用調査大手の東京商工リサーチおよび官報(6896号)によると、横浜市西区みなとみらいの「REVSONIC株式会社」(代表取締役:小松貴聡)は10月31日、東京地方裁判所に自己破産を申請し同日、破産手続きの開始決定を受けた。事件番号は平成28年(フ)第7780号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は平成29年2月28日午後3時、破産債権の届出期間は12月5日までとなっている。また、破産管財人には武井洋一弁護士(成和明哲法律事務所、東京都港区虎ノ門4-3-1城山トラストタワー31階、電話:03-5405-4081)が選任されている。負債総額は17億6129万円とのこと。

同社は当時、技術系派遣会社で営業統括を担当していた創業者の砂子坂氏により2005年7月に設立されたODMサービスを事業とする会社。設立当初はエンジニアの派遣事業を展開していたが、内部での技術開発力を高めたことにより、コンシューマプロダクト、カーエレクトロニクス、産業機械、社会インフラなど幅広い分野に適合したODM(Original Design Manufacturing:委託者のブランドで設計から製造までを担当するアウトソーシング)サービスを主業として展開していた。

大手半導体メーカーを主要顧客として営業基盤を築き、2015年6月期には20億1213万円の年間売上高を計上。2016年6月期も取引拡大を進め、年間売上高は23億2976万円に増加したが、費用が先行して2億1408万円の赤字となり債務超過に陥っていた。さらに、海外法人などへの多額の出資金や貸付金が負担となり資金繰りは多忙となっていた。

そのようななか、ソニーの関連会社で半導体設計を手掛ける「ソニーLSIデザイン株式会社(SLSI)」(神奈川県厚木市)の元役員らによる架空取引事件*1で同社が関与した疑いが発覚し、主要取引先から取引停止の連絡を受けたという。そのため、スポンサー企業などを模索したが、不正事件の影響から合意に至らなかったため、事業継続が困難となり、今回の事態となった模様。


*1ソニー関係会社で元役員と元社員が不正行為--損害は9億円(CNET Japan、加納恵、2016年10月28日)

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