福岡県柳川市の酒造会社「目野酒造株式会社」が事業停止  日本酒離れと原料価格上昇で採算悪化

信用調査大手の東京商工リサーチによると、福岡県柳川市三橋町百町の「目野酒造株式会社」(代表取締役:目野忠治郎)は8月22日、事業を停止し、破産手続きを柳沢賢二弁護士(柳沢法律事務所、福岡県福岡市中央区舞鶴2-2-11 富士ビル赤坂6階、電話:092-720-5366)に一任していたことが分かった。同社によると、負債総額は約2億円が見込まれているとのこと。

同社は1890年(明治23年)8月に創業し、1930年(昭和5年)8月に法人化した清酒・焼酎などの酒類製造・販売業者。代表銘柄の銘酒「国の寿」は地元福岡産の山田錦を精米し、自社培養酵母で高温糖化酒母により仕込んだ特別純米酒で、全国新酒鑑評会で金賞を受賞するなど100年余の実績があった。このほか本格米焼酎「まゆり」なども造り、柳川唯一の酒蔵として酒類卸売業者や筑後地区の酒店などを中心に販売し、1997年9月期は約2億4000万円の売上高を計上し、1999年には観光売店を設置し、直売も行っていた。

しかし、近年は長期不況による消費の低迷や若年層を中心とする日本酒離れの影響により需要が低迷し、売上高が減少。そのため、2002年からは梅酒やコーヒー焼酎などのリキュール類の製造を始めるなどの施策を行っていたが、2015年9月期には売上高が約1億1800万円にまで縮小していた。このような中、原料価格が上昇したことにより収益がさらに悪化。資金繰りが逼迫したため、今回の措置となったという。


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