同社は2007年2月にメッツコーポレーション(東京都港区)との共同出資により三井松島産業の連結子会社として設立された合金鉄製造およびASR(廃自動車シュレッダーダスト)の再資源化リサイクルを事業とする会社。約29億円を投じて2009年5月にASR再資源化プラント、同年9月にニッケル合金鉄製造プラントを完成させ、稼働させたが、ニッケル合金鉄製造プラントの主要設備である電気炉においてプラント稼働直後からトラブルが相次いだ上、ニッケルを含有する原料確保の難航、ニッケル相場の低迷などもあり、本格稼動に至らないまま2012年7月でプラント休止を余儀なくされるなどしたため大幅損失を計上。当該事業に携わっていた人員65名を解雇し、ASR再資源化事業に注力することとなった。
そのASR再資源化事業では座席(シート)などのシュレッダーダストを分別した上で、金属スクラップや製鋼用保温材などにリサイクルして販売するなどし、2012年3月期は年収入高約5億5000万円を計上していた。しかし、処理量は増加傾向にあったものの、素材市場の相場安などから2014年3月期の売上高は1億9700万円まで減少。同期は人員削減により黒字を確保したものの、翌2015年3月期には売上高が1億200万円に減少し、2億5400万円の赤字を計上することとなったため、プラント開発などの初期投資分を含めた債務超過額は40億7500万円にまで膨張していた。
こうしたなか、長崎市からの企業立地奨励金の返還問題や遊休設備となっているニッケル合金鉄製造プラントの売却など、多くの問題を抱え厳しい運営を強いられていたほか、ASR再資源化事業においてもASR搬入量の減少やリサイクルした炭化品販売量の減少等から事業続行が困難となり、2014年12月をもって事業を停止。以降も事業再開について検討していたが、再開は困難と判断し、今回の措置となったという。
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