官報(6835号)によると、東京都港区東新橋の技術者派遣大手「株式会社トラスト・テック」(代表取締役:西田穣)は8月10日、経営の効率化を目的として同社の完全子会社で設計・開発技術者派遣の「株式会社トライアル」(同所、代表取締役:日比龍人)を吸収合併すると発表した。効力発生日は平成28年10月1日で、両社とも会社法の規定に基づき、株主総会の承認を経ずに合併することを決定している。
トラスト・テックは1997年8月、三栄商事株式会社により「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づく特例子会社「共生産業株式会社」として設立された技術者派遣・受託・委託・請負を事業とする会社。2004年11月にアミューズキャピタルが全株式を取得し、「株式会社トラストワークスサンエー」に商号変更するとともに、事業内容を製造請負・派遣などの人材サービス事業(特定労働者派遣事業)などへと拡大。同年12月には三栄商事株式会社から営業権を譲受(三栄商事は解散)したほか、2005年に同じくアミューズキャピタル傘下であったトラスト・テック(旧社、2004年10月設立)を買収し、2008年10月に吸収合併すると同時に現商号に商号変更。以後も株式会社TTMや株式会社フリーダム、そして今回吸収合併するトライアル(旧称:カナモトエンジニアリング)を買収するなど、業容の拡大を続けている。なお、設立当初の事業であった障がい者雇用の促進は2005年7月に新設した共生産業株式会社(神奈川県相模原市)に事業承継されている。
トライアルは2008年4月に株式会社カナモトの子会社「株式会社カナモトエンジニアリング」として設立された特定人材派遣業者。自動車・機械・エレクトロニクス業界等の大手メーカーに対して設計、ソフトウェア開発、生産技術分野での技術者派遣および受託開発事業を展開し、2014年10月期には5億5900万円の売上高を計上していた。その後、トラスト・テックが自立成長とM&Aを両輪とする中期経営計画を発表すると同時に2015年10月1日付で子会社化することを発表*1し、同日付で現商号に商号変更を行うとともに、同年10月13日に現所在地に本社移転している。
*1:トラスト・テック、新たな中期経営計画に基づくM&Aを発表(PR TIMES、2015年8月21日)
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