富山県下新川郡の旧旅館経営「新川総合開発株式会社(旧商号:株式会社小川温泉)」に破産開始決定 旅館は海栄館の子会社が承継

官報(6839号)によると、富山県下新川郡朝日町の「新川総合開発株式会社(旧商号:株式会社小川温泉)」(代表取締役:鹿熊裕二)は8月5日、富山地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けた。事件番号は平成28年(フ)第134号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は平成28年11月19日午後1時30分、破産債権の届出期間は9月14日までとなっている。また、破産管財人には金川治人弁護士(金川法律事務所、富山県富山市千石町2-8-9、電話:076-422-6788)が選任されている。また、負債額は信用調査大手の東京商工リサーチによると、約23億5200万円が見込まれているという。

同社は1886年(明治19年)10月に創業し、1933年3月に法人化した老舗温泉旅館の経営会社。江戸期の開湯に始まる小川温泉を使用する「ホテルおがわ」を運営しており、石灰華でできた洞窟が頭上を覆う混浴露天風呂「天然洞窟風呂」を始めとした源泉掛け流し温泉を特色として、ピークとなる1994年5月期には約16億5000万円の売上高を計上していた。しかし、その後は国内の景気低迷を受けて業績が悪化。2004年5月期以降は赤字に転落し、2015年5月期の売上高は5億1629万円にまで減少、大幅な債務超過に陥っていた。

そのため、2016年5月に東海地方を中心に10軒以上の旅館・ホテルを経営する「株式会社海栄館」(愛知県知多郡、CEO:渡邉幸一)に全事業を譲渡して6月30日に現商号に商号変更し、残務整理を行っていた。なお、旅館については海栄館の子会社「小川温泉開発株式会社」が承継し、営業を継続しているほか、従業員の雇用についても基本的には維持されている模様。


■関連リンク
小川温泉元湯 ホテルおがわ
http://www.ogawaonsen.co.jp/

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