同社は2010年3月に設立された按摩・マッサージ治療院の運営会社。愛知県内11箇所に訪問マッサージ治療院を開院し、特別養護老人ホームなどに入居する老人などを対象とした按摩や鍼灸マッサージなどのサービスを展開していた。しかし、愛知県後期高齢者医療広域連合が平成27年10月分の療養費支給申請書の点検を行ったところ、施術した人数を実際より多く記入したり、実際には介護施設で施術したにもかかわらず、被保険者の自宅で施術したことにするなどの手口で訪問先への距離を本来より遠く算定するなど、おもに「往療料」を過大に加算請求するなどの不正受給を繰り返していたことが判明。これを受けてか、平成28年1月7日付で治療院の廃止届を提出し、事業を停止していた。
この過剰請求の件に関しては愛知県後期高齢者医療広域連合が同社に対し訂正などの自主的な対応を求めていたものの、無反応であったことから、6月16日付で当該療養費のうち過大受給分15,500,790円の返還請求を行っているため、法人は解散となったものの、今後、破産手続きに移行するものと思われる。また、介護・医療・福祉に特化したニュースサイト「ケアマネタイムス」の報道*1によると、同広域連合としては今後、2010年の治療院開設時にさかのぼって調べ、詐欺罪もしくは文書偽造の容疑での刑事告訴も視野にいれつつ、愛知県警などと協議相談して裁判手続きに入ることを検討しているとのこと。
なお、鍼灸マッサージは保険医療機関以外の治療行為として位置づけられており、サービスを受けた被保険者は一度全額を払い、自己負担分を引いた分の給付を都道府県などの保険者に求める仕組みとなっているが、愛知県後期高齢者医療広域連合の管轄地域では被保険者の作業負担を軽減するため、被保険者は自己負担分だけを支払い、マッサージ師側が療養費の請求事務と受領をおこなう「受領委任制度」を採用している。
*1:【訪問マッサージ過大請求】愛知県MRCグループに1,550万余の返還請求(ケアマネタイムス、ASTRA医療福祉研究グループ、2016年7月22日)
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