東京都北区の茶類製造・販売「株式会社岩田園」に破産開始決定 福島原発事故による風評被害が遠因に

官報（6835号）によると、東京都北区滝野川の「株式会社岩田園」（代表取締役：岩田安生）は8月1日、東京地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けた。事件番号は平成28年（フ）第5380号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は平成28年10月27日午後2時、破産債権の届出期間は8月29日までとなっている。また、破産管財人には鈴木康浩弁護士（すずき法律事務所、東京都中央区新川2-8-2 新川YMビル2階、電話：03-5542-6262）が選任されている。

同社は1849年（寛永2年）に創業した茶類の栽培・製造および販売を事業とする会社。1947年に狭山市に茶園と製茶工場を開設し、自家製の狭山茶を中心とした商品ラインナップを展開。2008年には現在の所在地に移転し、「茶のしずく」の屋号で喫茶店を開店するなど業容を拡大していた。

しかし、2011年3月に発生した東日本大震災に関連して発生した福島第一原子力発電所の事故の影響により狭山茶に対する風評被害を受けたため、商品ラインナップを狭山茶中心のものから静岡茶や宇治茶、知覧茶などを中心としたものに変更。そのため、商品の仕入コストが上がり、経営状況を悪化させていた。

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