官報(6833号)によると、東証一部上場の医薬品開発業務受託機関「EPSホールディングス株式会社」(東京都新宿区)の子会社で東京都新宿区津久戸町の「株式会社EP綜合」(代表取締役:田代伸郎)と東京都新宿区西新宿の「株式会社綜合臨床ホールディングス」(同代表)は7月26日、EP綜合を吸収合併存続会社、綜合臨床ホールディングスを吸収合併消滅会社とする吸収合併を行うと発表した。効力発生日は平成28年10月1日を予定しているという。
EP綜合は1999年に「株式会社イーピーリンク」として設立されたSMO(Site Management Organization:治験施設支援機関)事業会社。2005年に株式会社ミントと合併し、商号を「株式会社イーピーミント」に変更。SMO大手として事業を展開し、2011年にはJASDAQに上場。2012年には同社の連結子会社で同業の「株式会社エスメディサ」(合併当時の本社所在地:東京都文京区音羽)を吸収合併するなど、業容を拡大していた。*1
その後、2014年に「イーピーエス株式会社(現:EPSホールディングス)」を完全親会社とする株式交換を実施すると発表し、上場廃止。2015年にはEPSホールディングスの完全子会社となり、2013年から業務提携関係にあった「株式会社綜合臨床サイエンス」の親会社であった「綜合臨床ホールディングス」がEPSホールディングスと経営統合することを受け、綜合臨床サイエンスを吸収合併し、現商号に変更している。
綜合臨床ホールディングスは1989年12月に「株式会社綜合臨床薬理研究所」として設立されたSMO事業の中間持株会社。設立当初はエヌ・エスクリニック(現:医療法人社団晴幸会)と業務提携してCRC(Clinical Research Coordinator:治験コーディ―ネーター)事業を展開。1990年8月に健常者を対象とする第I相試験のCRC業務を開始すると、1993年10月に軽度の患者を対象とする第Ⅱ相試験を、1998年2月には上市後にその薬品を実際に使用する可能性のある患者を対象とする第Ⅲ相試験、1999年7月には製造販売後臨床試験とも呼称される第Ⅳ相試験のCRCを開始するなど業容を拡大させ、2004年4月に東証マザーズに上場するまでになっていた。
しかし、その後は同事業への新規参入の増加や製薬企業からの値下げ要請などによる受注競争激化により業界再編の動きが活発となり、同社も2005年8月に臨床検査最大手エスアールエルから買収した株式会社日本臨床薬理研究所(当時の所在地:東京都八王子市)*2を皮切りに、2006年2月に株式会社ベルテール(福岡市博多区)*3、2007年5月にハイクリップス株式会社(東京都中央区)を子会社化する*4など地域密着型のSMOを次々と買収し事業規模とシェアを拡大。同社自体は買収した会社の業務効率化を目的として持株会社となり現商号に変更。事業を新設した株式会社綜合臨床薬理研究所に承継させていた。その後も2012年4月に株式会社綜合臨床メデフィを設立してCRO(Contract Research Organization:医薬品開発業務受託機関)事業に参入するなど、業容を拡大させていたが、2015年9月にEPSホールディングスを親会社とする株式交換を行うと発表*5し、東証一部を上場廃止となり、EPSグループのSMO事業の中間持株会社となっていた。
*1:連結子会社の吸収合併に関するお知らせ(PDF文書、株式会社イーピーミント、平成24年2月6日)
*2:株式会社日本臨床薬理研究所の子会社化に関するお知らせ(PDF文書、株式会社綜合臨床薬理研究所、平成17年6月7日)
*3:株式会社ベルテール子会社化のお知らせ(PDF文書、株式会社綜合臨床薬理研究所、平成17年12月14日)
*4:ハイクリップス株式会社の株式取得(子会社化)に関する基本合意書締結のお知らせ(PDF文書、株式会社綜合臨床薬理研究所、平成19年5月17日)
*5:EPSと綜合臨床HDが経営統合 綜合臨床HDは上場廃止(日本経済新聞、日経QUICKニュース、2015年9月28日)
■関連リンク
株式会社EP綜合
http://www.epsogo.co.jp/
EPSホールディングス株式会社
http://www.eps-holdings.co.jp/
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