同社は2010年10月に設立されたLED照明器具の輸入・卸販売を事業とする会社。「ラッキー」の商標で事業展開していた照明器具メーカー「丸善電機株式会社」(1921年4月創業、1956年2月設立)を前身とし、旧・丸善電機が2010年6月に経営破綻した後、同年11月に電子部品大手「ローム株式会社」(京都市右京区)が買収し、新設した法人に事業譲渡を行う形で同社が設立され、事業を開始。その後、2011年10月に現社名に商号変更している。
旧社から事業承継後しばらくはLED照明器具「AGLED(アグレッド)」は天井直付けタイプのシーリングライトなど13機種のラインナップで、従来の蛍光灯を使用する照明器具を主力商品としていたが、2011年10月に商号変更を行うとともにペンダントライトやシーリングファン、キッチン用棚下灯、浴室灯、ポーチライトなど41機種を追加投入するなど大幅に拡充するなど業容を拡大していた。*1光源・電源をロームの大連工場から調達し、器具の組立を同社の国内工場で行うなど、グループ内で一貫製造体制を構築することで高品質を担保していたが、ウェブアーカイブを確認したところ、2015年以降は事業内容から製造が外れているため、同社工場での製造を終了し、物流拠点として活用していた模様。なお、AGLEDはギリシャ神話に登場する三美神・カリスの一柱で典雅・優美を司り、古代ギリシア語の「輝き」を象徴する女神「アグライア(AGLAIA)」と「LED」を組み合わせた造語だという。
しかし、照明器具市場は既存メーカーと同社を含む新規参入メーカーとの間で競争が激化するなど厳しい状況となっており、事業の選択と集中を推進し、市場競争力と収益力強化を図っていたロームと、商品開発能力と法人営業基盤の拡大を目指していたアイリスオーヤマの思惑が一致したためアイリスとロームの間でロームのライティング部門および同社の買収交渉が行われ、2016年3月31日に契約を締結していた。
*1:ローム、家庭用LED照明に本腰――AGLEDシリーズ拡充(ITmedia LifeStyle、齊藤徹也、EE Times Japan、2011年09月21日 17時51分)
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【特集】LED電球、どれを買う? 丸善電機「AGLED(アグレッド)」(家電 Watch)
http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/column_review/led2009/437704.html
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