同社は1989年(平成元年)12月に設立されたシステム開発事業者。常駐型のシステムエンジニア派遣事業を主体に、データセンターの設計・構築・運用・保守、またソフトウェアの受託開発を手がけ、近年はワイヤレス通信関連の組込ソリューション分野にも進出。大手通信キャリアグループやシステムインテグレータ、メーカーなどを得意先として、2015年7月期には約22億4500万円の年収入高を計上していた。
積極的な企業買収などでグループの業容は急速に拡大していたが、2015年2月にグループ会社のひとつである「TOUAテレマーケティング株式会社」が、助成金で業容を拡大したあとに経営破綻し話題となった株式会社DIOジャパン(2015年1月に破産)の子会社である「株式会社気仙沼コールセンター」の事業を譲受し、新会社の「TUOAテレマーケティング気仙沼株式会社」を設立するなどしたため、動向が注目されていた。
しかし、2016年5月末にはグループオーナーの藤原氏のプライベート・カンパニーを通した出資先が相次いで実質的に破綻するなど、ここにきて資金繰りの悪化が表面化し、信用不安が増していた。自己破産申請時点で複数企業から事業譲受の意向表明があったことから、今後は保全管理人の管理のもと、事業の譲渡先の選定を進める方針。そのため、破産手続き中ではあるが営業は継続するとしている。
なお、グループの持ち株会社のTOUAホールディングス株式会社(同所、代表取締役:藤原伸明)と、関係会社でウェブサイト制作を手がけていた株式会社TOUAデジタルマーケティング(東京都新宿区大久保、代表取締役:藤原伸明)は、7月4日に東京地裁へ準自己破産を申請し、同日破産手続き開始決定を受けている。事件番号は平成28年(フ)第4792号、第4791号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は平成28年12月14日午後1時30分、破産債権の届出期間は8月8日までとなっている。また、破産管財人にはTOUA社と同じく伊藤尚弁護士が選任されている。
負債額はTOUAホールディングスが約1億7500万円、TOUAデジタルマーケティングが約1億3100万円(ともに2015年12月期末時点)で、やはりその後変動している可能性があるという。
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